将来の展望

「3年は耐えなければ会社の全体像は見えない。
それより前に辞める者は見る気が無かった言わざるを得ない。」
これが今の職場の先輩が同期の退職に際して発した言葉だ。
言わんとすることは分かる。3年経てば4年目からは基本給のベースが上がることも、業務にもある程度の慣れや経験が出てくることも。
しかし、3年経って希望の地に行くことができるのか、行けたとしてもまた辺鄙な地に追いやられるリスクを背負うのか。考えるほど人生設計の難しさに煩悶する。
先輩は俺も君と同じくらいショックなんだと言った。
彼女の不満や悩みなど何も知らないくせによく言えたものだ。
他人が辛い心境を訴えているとき、容易く「俺も同じくらい辛い」、「痛いほど分かる」といった発言をするのは控えようとこの時思った。そんな歯が浮くような台詞は当事者にとって何の慰謝にもならない。ともすれば噴飯ものだ。

とりあえず3年ほど働いて金を貯めて転職するか。
転職するなら大都市がいいが、今いるところが地理的に不利すぎる。
どうすれば未来が拓けるか、悩む日々は続くのだろう。